I Wanna be born in china
2002/01/27-2002/02/03 珠海〜上海


3.中国見!

1月27日6:00am。
昨晩から今年一番の寒さと積雪予報でなかなか寝付けないまま朝を迎える。

電車は動くだろうか?
機材車は事故を起こさないだろうか?
さっそく心配交じりのスタート。
ミゾレまじりの雪も朝には冷たい雨に変わりほっと一安心。
急いで準備をしてスカイライナーへと向かう。大雪予想もあってか、タクシーがなかなかこなくて靴はびしょぬれ。
やはり最悪のスタートだ。
10分ほど待ってようやくタクシーを拾いきいてみると、6時くらいの時間帯はタクシーの運転手の交代時間だそうだ。

それにも増しての大雪警報。まあ、タクシーがつかまらないのもなっとくだ。
朝のすいている道をはしり15分ほどで日暮里駅に着く。
7:07のスカイライナーに乗り込み成田へ向かう。
成田空港近くに来ると雨も上がりとても大きな虹が見えた。うん、縁起がいい。
前向きに考えるには十分な要素。
成功の予感。

空港に着くと僕以外のメンバーはすでに集まっていた。
またもや出国に手間取り、ぎりぎりに乗り込み成田を発つ。
JAL791便10:10成田発。
僕らの二回目の中国ツアーははじまった。

今回は上海を経由して珠海に向かうことになる。昼間のフライトで少し安心したが途中大揺れにゆれ、かなり怖い。
もともと自分の運転するもの以外はあまり得意でない僕はかなーり緊張状態である。

「よし、落ちたらぎりぎりのタイミングでジャンプしよう」
一点に外を見つめて待機状態に入る自分。滑稽かもしれないがそれも気持ちのお守りかもしれない。
今回の便は満席状態でメンバー全員が完全にバラバラに座るという事態となった。
なんだか出国の乾杯もなくちょっとものたりない。おまけにゆれる。
不満のボルテージは上昇。気持ちは下降。

いやいや、そんなことではこれからの中国ツアーは乗り切れない。
そうしているうちにあっという間に上海空港に到着した。
12:38分(日本時間13:38)およそ3時間で到着した上海浦東空港。
大きな空港だ。
やった!上海についた!ここは中国なんだ!
二回目ということもありなんだか国内便にのったような「普通の気持ちで」入国手続きを行う。

上海空港税関にて機材持込についてなんだかいわれた。
なんと150元を払えという。冗談じゃない、申請はしてある、たとえ1元であっても払う義務はない。

前回の経験で覚えた「引いたら負け」。しょっぱなからそんなことはできない。
長期戦の模様にふと飛び込んできたのがりんちゃんだった。
天使降臨。
まさにベストタイミングといえる。

若干20歳そこそこのりんちゃんは林玄さんという上海の女の子。
ショートの金髪にペラペ〜ラの日本語。いわゆる今風の子。
日本に研修に来ていたときに偶然仲良くなって中国語の翻訳をしてもらったりしていた。
彼女が帰国するときに、もう会えないかな〜とも思っていたところ今回の話。
縁とはそういうものである。
また、今回の上海行きでは大車輪の活躍で僕らの行程を支えてくれた。

僕らの日本人とは思えぬ「強硬な冷たい態度」&りんちゃんのフォローもありなんとか通関。
改めて「やったー上海に着いたでよ!」

空港は幾何学的な模様で整然としている素晴らしい造り。日本、いや世界の主要空港に劣ることないこの空港。
中国にこんなすばらしい建造物があることを日本人は知っているのだろうか、きっときたらびっくりすると思う。
感動するだろう。そして自分の憶測で見ていた中国が一気にくつがえるだろう。
僕もその一人だったからだ。

今回はここ上海で約5時間の乗り継ぎ待ちとなった。
上海市内に入るバスに乗り込む。
「我来中国!」半年前とは少し違う気持ちで空港から市内に向かう。

向かう途中一斉に車が止まった。
どうしたのかとおもうと、しばらくして大きなトラックがリニアモーターカーの線路を運んできた。
休日の日中の真昼間。
通行止めをして物資を運ぶこと自体が日本では考えられない。
これなら速くできるわ。そう感じざるを得ない。
そうしてめまぐるしい進歩を遂げているのだ。

市内への道はどこまでも、一直線である、最短距離をたどる道。
土地は国の持ち物だから、立ち退きは簡単だ。国家のために国民が動く。
その姿勢はここでも生きている。
窓のそとの白く塗られた木々をながめていてなぜか気持ちが落ち着く。
ちなみに木々は下から1メートルくらい、白く塗られているこれは害虫除けと保温の効果があるそうだ。
まるで自然のガードレールのような感じがする。

前回のすばらしい思い出がよみがえってくる。
不安な気持ちはまったくない。
メンバーもいつも以上にハイになっている。
僕たちは戻ってきた。
また、中国にかえってきたんだ。
やっぱりぼくらは中国が好きだ!


 
 
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