重慶公演10
- Post by: AKI
- On: 4月 5/10
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なんと!
ツアーメンバーの一人のチケットの便名が異なっていた。
それも一人だけ。。
いきさつを話すと長くなるので割愛するが、要は手配の段階でいろいろな変更が入り最終的にでてきたチケットにミスがあったということだ。
しかし、発券されたものはこちらで確認の義務がある。
それを怠ったのはこちらの責任だ。
しまった、とおもった。最悪だね。まずいね。
名前のアルファベットに気を取られて便名までのチェックが行きとどいていなかった。
すかさずCAのカウンターに交渉。
しかし、満席という。
「ビジネスクラスは無いの?」「ない」「ファーストクラスは?」「ない」「ほんとかよ」。
無愛想にないといわれると頭に来る。
同時に東京側でも座席の確認をするがやはりシステムでみても空席は無いとのこと。万事休すだ。
万策尽きて大変申し訳ないが一人だけ遅い便で帰国してもらうことをAlcico側に伝える。
今回のホストはGYPSY QUEENなのでミスがあればすべて僕らの責任だ。
本当に申し訳ない。
そのときショウさんがいきなり言いだした。
「大丈夫。僕が彼と一緒にいます。あと3時間だから一緒に食事をしてチェックインも僕が手伝うので心配しないで。僕のお客さんはもっとあとだから大丈夫」。
今回、全然旅行の手配をしていないのに、初対面の人なのに彼は笑顔でそう言ってくれた。
その笑顔は空気の重くなりきった僕らをどれだけ助けてくれたことか。
ここは大変申し訳ないが、僕にはそれ以上の策はない。その言葉に甘えさせてもらおう。
1人残ることになったメンバーは海外経験も豊富ということだがツアーの責任上、「では一人でお願いします」なんて、そんなことでは許されない。
ショウさんには申し訳ないが助けてもらおう。
「ショウさんありがとう、これで食事でもしていてくれると助かるよ」と言ってそっとお金を渡そうとした。
そうするとかれは拒絶した「そんなのいらないよ。僕たちは友達だからあたりまえ。akiさんの友達だから僕が食事を御馳走して時間をつぶすから大丈夫」。
そんな言葉が出てくるとは思っていなかった。
頭が真っ白になった。
友達とはどういうことだろう。
僕はこの中国に来てものすごく大事なものをもらったのかもしれない。
お金で買えない大切なもの。
かたちだけではない、心の友。
うれしすぎて涙が出る。
本当だよ。本当にうれしいことなんだよ。この国ではいろいろなことがあるけれどきっとこれがすべて。だから僕はこの国を愛するようになったんだ。
でも、こちらの義務も果たさないと、と思う。
それでも、ショウさんはまったくお金を受け取ってくれない。
わかった。ここは甘えよう。でも次は返させてもらうよ。
もらってばかりは好きじゃない。
また、君に会いに来た時は一緒に何かをやろう。
このツアーの最後の最後で僕等はとんでもないミスをした。
しかし、そのミスを埋めてくれたのは中国にできた心から信頼できる友だった。感謝。
僕の友達が上海にいくなら、彼を紹介しよう。
この信頼できる最高のツアーコンダクターを。
結果的に一人残されるメンバーも快く理解してくれた。
「一人で本でも読んでいるので大丈夫ですよ、気にしないで下さい」。
嫌みの一言でもあってもおかしくないのに。
そして、彼らの事務所の和田さんも同様だった。
いくらでも文句を言っていいはず。
まあしかたがないけれどね。と言い放ってもいいはず。
でも、そうではなかった。Alcicoのメンバーも許してくれた。
気持ちのいいメンバーと過ごせた5日間。
今回の成功はこのみんなの団結感から生まれたんだな。改めてそう思った。
また彼らと旅をしたくなった。そして、こんなイージミスは二度としないと。
このチャリティコンサートに賛同して参加してくれたみんなとこれからどうしていこうか。
僕のやるべき大きな目標がまた一つ見えた。
そして、出国。
ここでショウさんともお別れだ。
何度もいうが彼は仕事ではない。
友人として僕らのサポートをしてくれているのだ。
うん、楽しかったな。
よかった。
いいツアーだった。
広い空港をゲートにすすみ、搭乗を待つ。
14時。僕らは上海を飛び立った。カウンターが言うように本当に満席。シートに座ると一気に疲れが出てきた。
第3章5幕はここで閉じることになる。
25回目になった今回のツアー。何だ25回記念ではないか。
海外のステージも100回を超えた。
でも、まだまだ知らないことややり方を変えていかねばいけないことはたくさん見つかった。
新しい気づきもある。
いつまでも初心者な僕らであるがその姿勢は保っておこう。
人に説明するよりもされた方が知識になる。今はまだ見ぬ中国全土人々との出会いのチャンスを探していきたい。
今回もたくさんの人のお世話になった。
開催に向けて最初に大学と話をしてくれた李剛さん、現地で走り回ってくれた陳社長、ツアー中お世話になった劉ちゃん、魯さん。
若手の陳さんは大丈夫だったかな?そして何さん。
大学の王先生にはまた会いたいね。約束したしね。もちろん学生たちにもね。
きっと数年後「翻訳学院でGYPSYQUEENのコンサートみましたよ」という人が出てくるだろう。それはこれからも続くだろう。
そして重慶ゴジラさん。約束守ったよ。
ゴジラさんを愛する重慶のみなさんともようやくここで会えた。
野田さんとはきっと何かできるに違いない。
成都の王さん、巌さんも準備万端で迎えてくれた。
共演した学生たち。きっといい経験になっただろう。別れ際に「日本に行ってみたい」。そう言ってくれてうれしかったな。
上海であったこばじゅんネットワークの人々にも今回も助けられた。パワフルな日本人がたくさんいるのだ。
ショウさんともこれで老朋友になったな。
そしてそして、もちろん17名のツアーメンバーにもお礼を言いたいね。
このハードスケジュール、文句も言わずについてきてくれてありがとう。
人の縁。
人は人との出会いで何かを始める。
何かをやれば変わる。
たくさんの気持ちをもらったおかげで出発前よりも気持ちが裕福になった気がする。
少し寝て、食事。気づけばあと1時間ちょっと。眼下の雲はなんとなく日本の冬を感じる。
桜は咲いたか。
春は来たか。
一足先に中国で春をみてきた。
心にもたくさんの桜が咲いた。
このイメージを忘れないようにしよう。
ポジティブに次の壁に食らいついてやろう。
みんなありがとう。
新しい友よ、懐かしい友よ。
そしてゴジラさんありがとう。
縁は続いていく。
また僕らはこの地に戻ってくる。
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GYPSY QUEEN Road to Asia #25