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相約北京8

会場を後にするころには18時をまわっていた。

すでに夕方だ。ホテルに戻る前に四川大地震の被災地に幼稚園を建設するプロジェクトを行っている迫さんのオフィスに行く。

ステージが全て終わったので若干気が抜けている。それでも僕等は限られた時間の中動かなければならない。

悠長に事を進める時間は無いのだ。

場所は先日きたDX!の近くで最先端の北京を感じさせる一角。ここにオフィスはあった。

白で統一されたいい感じのオフィス。到着すると日本人よりも日本人っぽいという巨さんが最初にあらわれる。

この建設プロジェクトの担当をしているという。ものすごく日本語がうまいと思ったら日本に住んでいたという。普通に日本語を話す優秀なスタッフだ。

迫さんといろいろこれからについて話す。前回のときはあまりじっくりと話ができなかったので今日は会えてよかった。

何度も危機に陥りながら踏ん張り続けている様は僕らに共通する。力を合わせていこうと話し合う。

日本人同士でも同じことで会って話さないと真意が伝わらないことは多い。タイトな中、会えてよかったと思う。

迫さんの事務所を19時に出発。バンでホテルに帰る。僕には気がかりなことがあった。こちらに来てからタンさんと会っていない。

主催者として忙しいのはわかるのだが招聘した当人と会えないというのは不自然だ。

「会いたくないんじゃない?」。

いや、そんなことは無いと思う。

でも会ってみないとそれがどうなのか憶測の域を出ない。

だからこそ確信を持つためにも何としても会いたかった。

今回は多くの成果を残した。しかし一番の目的はタンさんと作っていく「これからのこと」だった。

その話のために来たといっても過言ではない。

そして、その返事がないこと3日間。焦りは蓄積されてゆく。

もろもろの行動が押したこともありホテルには19:30に到着。

タンさんからはホテルのshinonの部屋に連絡がくることになっている。でももう出なければいけない時間。

会食は近くの韓国人街なのでとりあえず携帯で連絡を取ることにして出発する。

ホテルからタクシーで1メータ位の場所で立派な門というかこのエリアに入る口がある。

そして暗闇の中そびえたつビルの中を抜けて到着。うむ、絶対一人では帰れない。

そしてここに住んでいなければ絶対にこれないような場所だった。周りを見るとほとんど住んでいる人たちは韓国人のような気がする。

完全なコミュニティが形成されているといっていいだろう。

その後、タンさんとのアポは今日は断念し明日に切り替えることに。

すでに21時近くになりこの時間に忙しい状態の彼がここまで来ることは不可能に近いし考えられない。

とりあえず明日の12時にアポを取りたいという形になったが本当に12時にホテルに来れるか?ということに関しては不明瞭であった。

微妙である。

不安だ。

宴席はおいしい韓国料理で盛り上がる。今日、ようやく打ち上げ解禁の岩渕も楽しそうだ。

公演が終わるまで気を抜けないのであまり個人的には話ができなかったが、今日、こうして話ができることもよき事だ。

今日はフェリシモさん、マリアージュさんの社長さんとの会。いろいろなお話を聞く。

やはりこちらでやっていくというのは並大抵ではできない。

日本からこちらに来てやるには何でも自分でやること、そして気持ちを保つことが重要だ。

タフな日本人がたくさんいることに今回は気づかせてもらった。

がんばっている日本人とたくさん会えたことが大きな収穫だったかもね。

ホテルに戻り恒例の反省会。

部屋に集まりビデオの確認と今回の反省会を始める。

足りなかったこと、こうすればよかったことなどはたくさんある。

それは後からでは記憶も意識も変わる。今洗い出さなければベストの次を生みだすことができない。

今回チーム一丸で乗り切れたことに心から感謝。初参加の岩渕もプレッシャーに潰されずがんばった。

そして、この場を作ってくれたスタッフに感謝。

感謝の宴はよいものだ。

かなり酔って解散。たぶん2時くらいか?

2010/05/04
6:00起床。かなり二日酔いだ、大体何時に寝たかもわからない。

7:00朝食。今日は打ち合わせチームとご褒美の観光チームに分かれmasaoと岩渕は天壇公園に向かう事になった。

8:00masao出発。タンさんに連絡をしてホテルまで来てもらうのではなくてこちらから演出公司に行くと伝える。

当たり前のことである。こちらからアポをとっているのだから。

10:30のアポをもらい一安心。行けば会えることになった。

その後部屋にてミーティング。これから話すこと、確認事項を共有する。

情報だけでなく意識を共有することは非常に大切だ。

10時にホテルを出発する。演出公司までそこそこ混んでいてジャストくらいに着くと思ったがここで事件発生。

タクシーが止まった所は移転予定先の演出公司で今はまだここには入居していないとのこと。かんばんは出ているのに。。

これはまずい。連絡を取りつつ向かうがすでに約束の時間は過ぎている。

アポは10:30から11:00までだったがすでに10:40近い。

なんとか行き方を確認して向かう。「あった、あった」。目印のホテルを発見して、その先に無事到着していたこばじゅんを発見。

やっときたぞ。って感じだね。

そこは昔ながらの建物であった。重厚な建物だ。そんな雰囲気の中、エレベーターもない4Fにオフィスはあった。

応接に通され待っているとタンさんが来た。

心配はその笑顔で一瞬に消えた。

慌ただしく応接室に入ってきた彼は、忙しくてここ数日まったく動けず申し訳ないと謝っていた。

三日間ほとんど寝ていないようなことを言っていた。そんなに疲れていても、再会の喜びにあふれた顔がうれしかった。

今回、僕らを招聘してくれたのは彼であり、当然といえば当然だがコミュニケーションがとれない中で不安は大きくなっていた。

でも、それは一瞬で消える。

直接本人と会うことで疑問は一つしかない事実に変わる。会うことの重要さ。いつも感じることだ。

彼とのミーティングは非常に有意義であり意味のあるものであった。

今回のステージの評判が良かったのか、それがすでに伝わっていたのか?どんどん話が広がっていく。

時間にして30分足らずだが今回のツアーの中で大切な一つの打ち合わせを満額回答で終えることができてほっとした。

うん、ものすごくほっとしたね。

昨日からの肩の荷が一気に下りた感じだよ。

会いに行ってよかった。

常日頃会いに行かなくちゃといっているにも関わらずタンさんについてはずっと「きてくれ、待っている」だった。

会いたい人が会いに行く。当たり前のことだけれど忘れていたかも。まだまだ、ぼくらにはわからないことや足りないことがたくさんある。

だから行動しなければね。

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