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八丈小話2

17:00ロビー集合でミーティング。

夕焼けに映る山、そして刻一刻と色を変える海。

小刻みにうねる水面はまるで風景画のような美しさだ。

今日のセットを確認しているうちに全体の集合時間になる。

黄八丈をきた芦川さんは超いい感じ。

しのんのシン(ラオスの民族衣装)と並ぶと今日のステージが文化交流という意味で価値のあるものであると感じる。

知ることからはじめる。

そうすれば興味を持つ人が生まれるだろう。

それが交流となればいい。

今日はそのきっかけを作りに来たのだ。

 

18時会場へ。

夏祭りモード全開だ。

昼間あんなに暑かったのに風はここちよい。

東京だと夜になっても気温はさがらないけれどここは昼は暑く夜は涼しい。

あたりまえのことなのだ。

海外でもよく思うことだ。

東京のヒートアイランド化。

なんとかしないとね。

控え室に入ったときに八丈太鼓が始まった。

二階から見ることができたので動きがよくわかる。

躍動感あふれる太鼓には魂がこもっている。

かっこいいね。

地元のバンドの演奏があり20:30過ぎ。

僕らの出番がやってきた。

前半はGYPSYQUEEN,そして中盤に太鼓とのコラボ、GYPSYQUEENの曲をはさんで最後に中野さんというセットだ。

夜とはいえかなりの湿度の中暑い衣装。

数百人はいるお客さんたちにも満足してもらえるものをやるためにがんばらねば。

そしてステージは始まる。

一曲目は「クラパサン」。

ラオス語の曲でパクサンのバラという言う意味だ。

しのんの衣装もラオスの衣装である。

本来この日にラオスの歌手アレクサンドラを招待する予定だった。

しかし、時間がなかったこともあり、彼女のマネージメントサイドとうまく話がつかず実施できないことに。

まあ、仕事だし仕方がないとおもうのだがかわいそうなのはアーチストだ。

今彼女は日本に語学留学中。

多少の時間はラオスと比べればあるはずだし、黄八丈や焼酎製造などラオスの文化と似た風習のあること八丈島には来たがっていた。

しかし、結果的にはマネジメントの判断もあり今回は流れてしまう。

歌手というのはデリケートで歌う場がないと死んでしまう。

歌うことが生きることで息をすることなのだ。

まあ、次の機会にはもう少しじかんをきちんとかけて一緒に競演できればいいなとおもった。

そして前半3曲を終え八丈太鼓の出番だ。

司会の二人のトークで準備もまったりせず繋がれる。

そして演奏されるのはGYPSYQUEENのオリジナル曲の[moonlight&sunshine]と[未了]そしてラオス語の「Den heng it sa la」ともに太鼓をアレンジにいれるとめっちゃかっこよくなる曲ばかりだ。

moonlight&sunshineのアレンジはRHよりも感動的なものになり2年前に思いがいたものが実現できた感じだ。

 

アジアのバンドとして何かひとつ足りなかったもの。それは日本独自の音色とリズムであった。

それを今日こうして実現できたのはとてもうれしい。

感激である。

えいしんさんと目が合う。

いい顔をしている。おきゃくさんの拍手もほかの曲よりも長く続いた気がする。

みんなきっと八丈太鼓とロックの融合に興味深く聞いてくれたに違いないのだ。

そして、「Den Heng it sa la」。

この曲シートンラオス大使に聞かせたかった。

そんな曲になった。

日本人がアレンジしたこのラオスの愛と平和の歌。

 

きっと絶対に喜んでくれるに違いないだろう。

音楽って不思議だ。

ただの音の羅列であるのになぜにこうしてうれしい気持ちになれるのだろう。

ほんの小さな音楽家の出す音に過ぎないのになぜ一国の大使に聞いてもらいたいなんて大それた事をおもうのだろう。

 

よくわからないがきっと聞いてもらったら喜んでくれるだろう、それだけなのだ。

きっとシートン大使があの笑顔で「VeryGood!! hahaha!」って言ってくれる。

そうおもうだけでしびれてくるんだな。

太鼓とのコラボは予想以上のものを残せた。

なによりもまた次がある気がした。

希望に満ちたコラボだった。

 

後半GYPSYQUEENのROCKナンバーを続け再びMCへ。

いよいよ大御所サンプラザ中野くんさんの登場だ。

着物をきた中野さんは夏祭りモード。

涼しげである。

「大きなたまねぎのしたで」を演奏。

この曲、演奏していておもうのだが完璧に計算されて作られた曲だとおもう。

「ほう!こういう進行なのね。」と感心させられる。

ヒットするにはヒットする方程式があるのだろう。

この美しいメロディに中野さんの鋭利なボーカルが乗るのだからたまらない。

銀だこのたこ焼きのようにまわりがカリカリと、そして中がとろりふわふわ、という感じで最高だった。

「つなぎのところは僕がしゃべるから」ということでMCを中野さんに。

トロ太郎の歌やとにかく面白い!この人はきっと歌わなくても十分に会場を盛り上げる人だなぁ。とおもう。

天才だ。

ついつい聞いちゃうんだよね。

そしてつられて笑ってしまう。

そして、面白さを含めてボルテージの上がった客席、ステージが作り出すフィナーレはもちろんこの曲「ランナー」だ。

自分自身盛り上がってしまい完璧とはいえないがとにかく楽しいまさに夏祭りだった。

「ラオス、ロック、伝統」の3つの要素がきちんと組み込まれたステージであったとおもう。

汗びしょのステージ。

終了後ホテルにもどり打ち上げへ。

浅沼会長以下みなさんと打ちあがる。

「今までいろいろなアーチストを呼んだがGYPSYQUEENは何か違う」とお褒めの言葉を頂いた。

僕らがいつもおもうこと。

音楽としてプロとしてきちんとこなすことは当たり前だがビジネスライクだけに収まる気持ちはない。

誰にでもできることなら僕らがやらなくてもいいわけでGYPSYQUEENにしかできないことをやっていきたいとおもう。

 

それは何かというと僕らがかかわることで生まれていくる「新しい何かへのスタート」なのだろう。

音楽を通じて何かが生まれる。

そのために僕らは音楽を続ける。

かかわった人に何か新しいものを感じてもらうために。

だから、僕らは一切の壁とか「NO」の言葉がない。

妥当な線とか割り切ろうなんて気持ちはまったくないのだ。

できることをできるだけやる。

そしてその先に相手の笑顔があればそれで十分だ。

その思いが伝わったことがうれしかった。

そして、これからについてたくさんの話をした。

アジアへはどんどん広がっていく何か「魅力」がある。

そのきっかけさえつかめばいろいろなことが実現できるだろう。

そんな夢物語を多くの人々と交わした。

そしてそれは飲み話の中だけではなく次に繋がる新しい夢の始まりだ。

また近いうちにこの夢物語の続きを話せるだろう。きっとそのときにはこの日のことを思い出すだろう。

今回のステージの上で僕は初めて八丈島に来てうみっぺりでみた八丈太鼓を思い出した。

あそこで見ていなかったら、この島に来ていなかったら僕の歴史の中にこの太鼓は一生生まれなかっただろう。

このたくさんの新しい友人たちにも会わないで一生を過ごしていただろう。

それでもなんの不足もない。

でも、どうせ生きていくならより多くの人に知り合い、より多くの新しい何かを生み出したい。それが形になったのだから最高だ。

 

この世の夢物語、次に生まれるのはいつのことか。

それは近いうちに訪れるだろう、とかかわったみんなの中の共通の気持ちでありたい。

 

今回かかわった主催の八丈島のみなさん、司会の中村さん、芦川さん、サンプラザ中野くんさん、スタッフ、マネージャーのみなさんどうもありがとうございました。

我愛八丈島です!

また一緒に何かを始めましょう!

再見!

 

 

 

 

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“八丈小話2” への2件のフィードバック

  1. えいしん より:

    不慣れではありましたがほんとにみんながひとつになった感じがして気持ち良くリズムを打つことができました。

    ありがとうございました。

    またよろしくお願いします。

  2. aki より:

    ぜひ東京でもやりましょう!

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