Vietnam Fes 6
- Post by: AKI
- On: 9月 29/08
- With コメントはまだありません
Photo byT.Hagiwara
21日。朝9時。3人のシンガーはロビーに集合。今日はこれからJATA旅行博に向かう。
18日の早朝に成田についてから昨日の初日を終えるまでフルに詰まったスケジュール。さすがに疲れているのがわかる。無言の移動。すこしでも休めるようにとバスの中でも声はかけない。
?
およそ40分でビッグサイトに到着する。今回は、スポンサーでもあるベトナム航空の出展しているこの旅行博にベトナムブースの代表としてこの3人のシンガーが歌うことになった。なんといっても豪華である。
3人が一曲づつ歌うのだからそれはほかの国の出し物とは大きく違う。そんなスペシャルなイベントだった。会場は午前中ということもありにぎわってはいるが満員状態ではない。ありとあらゆる旅行関係のイベントであるためにベトナムの歌手だけに脚光があたるということではないとおもうがちょっと不安になる。
会場入りして出番を待つ間に進行の打ち合わせ。この部分があまりスムーズに行かず結局JTBの浜田さんが司会を務めることになる。
司会や通訳がいなければ成立しなかったのでここでの浜田さんの大活躍に拍手。ぼくはステージサイドで音源のキューだしと、シンガーの入りのタイミングを指示。完璧にスタッフモードである。出演時間は20分間と短い。
?
そんな急な内容に対しても文句を言わず行動する3人。もう、抱きしめたいくらいすばらしい。
?
そして、当然その歌声も絶品だ。あっという間に会場に広がるざわつき。そりゃそうだ、代々木を一杯にするシンガーがココで歌っているのだから。あいさつと歌、そしてインタビューという構成で会を終える。ベトナム語の通訳はLinhさんが務めてくれる。
浜田さんも英語でインタビューという流れで本当にうまくいった。
会場の余韻を楽しむまもなくすぐに代々木にトンボ帰り。
?
途中有明の高層ホテルでランチを、と思ったが時間がなくキャンセル。
一路ホテルに戻り昼食を食べた直後にはMyLinhは衣装に着替えに戻った。
?
慌しい時間。それもスターの運命か。夕方の出演のLamTruongとHienThucは部屋で休むことになり、ぼくらはMyLinhのステージの準備に入る。
?
会場とホテルの往復に僕自身かなり疲れてきた。演奏のことも気になる。ステージでうまく表現できなければなんの意味もないのだ。それでもステージだけできてもだめだ。両立させることは非常に難しい。難しいことだからやってるんだけれどね。
体力的にちょっとへこたれた気分だった。
?
?
前日はかなりスケジュールが押したので今回はぎりぎりまでMyLinhをホテルで待機させた。彼女もいい歌を歌いたいという一心である。
そのための環境の管理には本人やマネージャーが非常にこだわる。昨日はなかった楽屋を用意してもらい、少しでもすごしやすいようにと務める。ようやくバンドのメンバーとも会話する余裕が出てきた。そう、今日は最終日。この日の公演にすべてがかかっている。
?
「オンタイムでおねがいします!」スタッフにそういわれてちょっとあわて気味になるが結果的にはドンピシャのタイミングでMyLinhは会場入りし、一安心。
?
「あきさんヨロシクオネガイシマス」と彼女に言われると不思議と元気になる。今日は昨日以上のものを残そう。気合も入りMyLinhのステージは始まる。
?
彼女のセットは基本的に二日間同じものだ。ということは昨日以上のプレイをしなければいけないということ。そんなことはみんなわかっている。
MyLinhも同様で昨日以上にぼくらに絡んでくる。これはステージの上のバトルだ。あおられてプレイもヒートアップ。きっとオペラの影響なんだろうか?白鳥の湖を歌っているのにそのパワーはまるでハードロックだ。
音楽には壁がないという。まさにそれを感じた。どんな音楽でもこうでなければいけない、なんてことはない。「いいものがいいんだよ。」昔有名な歌手にそういわれた。
これはこう、ではなくていいものはいい。だからいいものをやろうという気持ちがあればいい。
そういうことだと思った。
?
MyLinhのステージは終わる。大歓声に見送られて彼女は会場を去る。また、やりたいな。そう思った。音楽性、人間性、すべてを兼ね備えたベトナムの歌姫との競演はぼくらに何かを残してくれた。それは未来だ。
ステージを終え一度MyLinhを見送る。
?
彼女はグランドフィナーレにも参加することになった。
昨日、ステージの終了後BuyTanがぼくのところに来てこういうのだ。
?
「明日のグランドフィナーレにMyLinhも参加させたい。Happy to see youの前にParadise in your soulを歌わせたいけれど大丈夫か?」。ん?なんだって?もちろんOKにきまっている。
?
そして、このフィナーレにGYPSYQUEENの曲を2曲披露できるということはぼくも想像していなかったこと。ある意味サプライズである。ぼくは快諾して、明日の原稿を修正して実行委員会に送る。明日の朝のことだからみんな見てくれるだろうか?まあ、会場に行ったらちゃんといえばいい。こういうことはメールではなくて直接話さないとね。意思疎通ができないとうまくいくものもいかない。
?
そんなこともあり、MyLinhは終了ではなく、また戻ってくることになったわけだ。ほんのちょっとのクールダウン。次は90分。体力を温存せねば。
?
今日のゲストサンプラザ中野くんさんも登場。毎回お世話になっている中野さん。タイのアーチストをプロデュースしたこともありアジアには縁もある。きっと一緒にアジアに旅することもあるかもしれない。今回も急な中快く出演してくれた。
本当にありがたいビッグシンガーである。そして1時間もたたないうちにステージは始まる。ここも時間通りに(ちょっとまき気味に)すすんだおかげでスタッフから「スタンバイ」の呼び出しがかかる。ちかれた?でも、がんばろう。
みんなで気合を入れる。さあ、このステージを終えて打ち上げだ!
?
進行表をみるシンガーたち。そうだ、shinonがでてLamTruongがでてHienThucがでてまたshinonがでてという入れ変わり立ちかわりゲームのような構成なので把握していないとわからなくなる。そんな緊張感も手伝いステージそではなんだか慌しい。
MCのアナウンスがありステージに出る。雨なのに今日も満員のお客さん。
?
最初はshinonが飛ばしていく。今日はMyTamの名曲UOCGIをカバーした。イントロが流れただけで歓声が沸く。日本人でこんなにベトナム語を歌うシンガーがほかにいるだろうか?そんなのはshinonしかいない。
間違いなくGYPSYQUEENだけしかやっていないこと。それはそう難しいことではないかもしれない。でも、それをやろうと思う気持ちがOnly oneであって、それが今日こうして大勢のお客さんに喜んでもらえることでその意味を知る。
?
時にはこの道が間違っているかもと思うこともある。それは険しいし誰も行かない道。誰しも不安になっても仕方がないことだ。だからこそ行く先にようやく小さな明かりが見えたとき、この道を行く意味を感じる。決して間違っていないと。そう思えるステージだった。
?
昨日と違う点といえばさらに一体となったステージであること。もう、一緒にツアーを回っているかのような仲間意識が芽生える。こんなコンサート楽しくないはずはない。
お客さんと一緒になってこのフェスを祝う。
?
そして、中盤。八丈太鼓に入ってもらう。八丈島での公演からはや3回目。距離の差を越えてぼくらは実験的なコラボを繰り返す。よしおさんとえいしんさんの二人。個人的にもぼくはこの二人の向上心が大好きだ。
このアジアロックのGYPSYQUEENと日本の伝統太鼓が化学反応を起こしたときにまた新しい何かが見えるだろう。
?
そして、来ました世界のサンプラザ中野くん。昔電波少年という番組があり猿岩石が旅をしたとき。中野さんが書いた彼らのテーマソング「旅人よ」。その当時TVを見ていて、なんてイメージにあった曲なんだと感激していた自分。そして今その曲を中野さんと演奏することができるのは幸せである。
?
「大きなたまねぎの下で」とこの二曲を披露。会場のボルテージもますます上がっていく。このまま一気にフィナーレまで持って行きたいと思っていたので次なる隠しだま。
ShinonとHienThucのツインボーカルだ。
?
会場が盛り上がらないはずはない。HienThucも自主的に日本語の歌詞を歌おうとがんばる。いいことじゃないか。
Shinonがベトナム語を一生懸命はなすことに刺激を受けたベトナムチームはこぞって日本語で話そうとがんばる。ステージでもそうだった。
?
お互いの国の言葉で話すというのはテクニックではない。
人と人がお互いに仲良くなりたいという心のサインだ。
その相互が行きかうときに本当の交流は生まれる。それはこの瞬間なんだろう。
?
最後はLamTruongが締めくくる。そして今日はまだ終わりじゃない。このあとグランドフィナーレが待っている。すっかり体力を使い切ったぼく。エネルギーチャージが必要。笹川さんの強烈マッサージと取立てという巨峰がめっちゃおいしく休息充電。楽屋はもうあふれる感じでいい感じのばたばた感である。
?
そのときスタッフが入ってきて、急に豪雨が襲ってきてかなりイベント自体危ない感じだ、と聞く。
最後の最後に中止か。
まあ、このイベント、十分にやってきた。ここで終わっても成功には変わらない。
?
それでも最後みんなで締めくくることができれば最高だ。
?
雨よ、あがれ。
全員の思いはそこにあった。