武漢、貴州、成都へ
- Post by: AKI
- On: 3月 24/12
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今年は日中国交正常化40周年を迎える。
日本と中国で関連イベントが巷の話題になる。
思えば僕らの中国は10年前の国交回復30周年が大きな岐路になったといっていい。
そうか、長い十年。
そしていろいろなことがあった十年だった。
その中でいろいろなことを学び、時には折れそうになった心、そしてそれを一気に生きる意味として知らせてくれるたくさんの仲間、出来事。
そんな繰り返しの中今がある。
僕らにもこの40周年を祝うイベントの話があった。
10年もやっているのだからそれなりの事をしなければいけない。
もちろん自信はあるよ。
どうすればいいかってことはある程度分かっている。
何がよいとされて何が意味がないかってことはね。
そして、準備を重ねたある日事件は起こった。
名古屋の市長の歴史問題への発言。
その情報の正確なことはわからない。
ただ、世の中に伝わるのは歴史に対する認識についての言葉が飛び交う。
嫌な予感がした。
過去何度も経験したこと。
一日一日とすぎる中、特段僕らの公演に変化はなかった。
しかし、南京のジャパンウイークがキャンセルになったあたりからぼくらの周りもざわざわし始めた。
そして、武漢でのサクラウイークは急きょ延期措置となった。
もしかして、その影響があったんじゃないか?
一瞬心がずしんと沈んだ。
もちろん理由はそのせいではないと思う。
でも、そんな時期柄の延期だけに多少なりとも心に暗雲は立ち込めた。
みんなが楽しみにしていた。
日本も中国も。
そして大勢の人が準備に携わっていた。
その人たちの思いを考えるともちろん自分もだが、残念で仕方ない。
延期であれば仕方がない。
もう一度を信じていけばよい。
そう思うことにしようと自分に言い聞かせる。
そんな中、ほかの二か所については順調に話が進んでいた。
もちろん、恐る恐るではあるが前に向かって動いていた。
それでも油断はできないよね。
そう思って準備をするのは骨が折れることだ。
しかし、転んでもただでは起きないのが僕ら。
事前の準備で武漢とはかなり詳細までメールでやりとりをしていて、人間関係もできていた。
実施する前からもう仲間になっていた。
そんなことが功を奏したのかなんとメインのイベントは延期ではあるが、同じスタッフが武漢の大学で行うイベントを仕切ってくれるというのだ。
人と人が一緒に作る素晴らしさ。
日本人も中国人もないということは日頃の経験からわかっている。
世の中は僕らをためそうとしているのか?
そうであればずいぶんいたずら好きだな。
持ち上げて、思いっきり落としてそしてまた持ち上げてくれる。
ジェットコースターに乗ったように一喜一憂しているうちに出発の前日となる。
結果としてすべての公演地でのプログラムは成立することになった。
若干規模が変わったことは愛嬌だ。
何よりも中国という国の中で一度延期となったものが形をかけて実現されるなんてちょっと前なら考えられなかったし、それは今でも同じことなんだろうと思う。
幸運にも僕らは素晴らしいパートナーと出会い、そして準備を一緒に進め、お互いに明日武漢で会うことを心から待ち望んでいる。
もうそれだけで僕らがやりたいことは半分以上満たしている。
音楽にできることはその音楽の部分を超えて、音楽の現場を作る者同士、すなわち人と人の心を絆をがっちりと組み合わせてくれることでもある。
国と国が新しい関係を作っていく基礎はなんだ?
それはミクロの世界で共に手を重ねあう人と人に間違いない。
それができたこと。
それは最高に素晴らしいスタート地点に立てたことに他ならない。
さあ、始めようか。
また新しい出会いの旅よ。