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北京武漢ツアー3

バスはコンサート会場の湖北大学に到着。

1000人程度のホールであった。

すでに機材は搬入され、なんと協力してくれる学生が同じTシャツをきて数十人待っていてくれた。

「こんにちは!」元気な日本語であいさつされるとなんだか気恥ずかしい。

この時には心のもやもやなんて全く消え去っていた。

 

その後マリオットホテルに到着。

とてもきれいなホテルに大満足。

12:20に集合してランチに向かう。

道中も王くんがいろいろ武漢の事を説明してくれるので非常に詳しくなった。

前回の呉さん、林さんもそうだが単に日本語がうまいということではなくそのホスピタリティーが素晴らしい。

もっとわかりやすく言えば人情なんだな。

相手のことを大切にしてくれる人たち。

それが僕らの武漢人感だ。

武漢料理をおいしくいただきホテルに戻って13:45再集合。

あわただしくも会場に向かう。

会場につくと先発隊のmacha、masao、sakaiの3人がすでに準備を終えていてくれた。

そしてスタッフの学生たちにも歓迎を受ける。

 

今日の進行を確認をしてサウンドチェック。

PAについてはかなり危なげで特にマイクのバランスが非常に悪く何度もやり直した。

今回のコラボの中国琴との共演においてもとにかく音が聞こえない。

マイクセッティングとボリュームの場濫訴の問題だと思うのだがとにかく聞こえない。

これでは演奏にならないが、古い音楽を古い調子でやってもやる意味がないので僕らのスタイルを貫く。

音響の問題はこういった電子楽器ではないものにはつきものだが、マイクピックアップなど今後日本から持って行けるものは持っていきたいと思った。

アコギ用のマイクなど使えるものはありそうだからね。

そして、ちょっとだけ押し気味にRH終了。

ここもきちんと時間通りいきたいので最後はかなり駆け足で終了した。

16:10会場をでてホテルで少し休憩をとる。

何しろ出発日からとにかく朝が早い&夜が遅い。

10分でも寝ておきたかった。

あっという間にねて目覚ましで起きる。

うむ、危険だ。

寝過ごしたら大変なことになる。

ロビーに集合するとちょうど大使一行が会食へ向かうところだった。

そこで呉さんと林さんに再会。

3か月前に初めて会った二人が今では顔を見るだけで心が躍る関係になっている。

「呉さん、約束通り来たよ!ありがとう」そういうと呉さんは優しい笑顔で迎え入れてくれた。

忙しいのに本当にうれしいね。

リンさんもメイクばっちりでこの後の会食の準備に奔走している。

こんなすごい人たちに前回フルサポートして頂いたわけだ。

17:30にホテルを出て会場に。

ざわつき始めている会場を背に楽屋で打ち合わせをする。

 

今回の琴の張さんや歌い手の琴のコミュニケーションが取れていなかったこともあり不安は残る。

やはり交流ができていないので同じステージに上がるのは危険だと思う。

カラオケと違って生の演奏は歌い手次第でぶれる。

形だけの交流では意味は半減するので今後は打ち合わせをする時間を最大限にしたいと思った。

公演は予定通り19時にスタートする。

会場のホールは満席。

今回は入場券を入手するのにもかなり苦労したと聞いていた。

一曲目から盛り上げる。

今までの経験を活かして臨んだこの40周年事業。

セットリストだけをみると感じないが要所要所にに中国でつかんだ成功の方程式を塗りこんである。

日本では受けないことも中国ではありだ。

トークコーナーや僕の歌のコーナーもあったりして盛り上がったがなんといっても湖北民謡をコラボするコーナーが肝だ。

キンキンの時のようにコミュニケーションはとれなかったがきっと何かを感じてくれたに違いない。

よく、「何のために中国でやっているの?」ときかれることがある。もちろん、いろいろな理由はあるがその中の一つに「日本人との共演で彼らの人生が変わることがある。

それをやる人がいないから僕らがやる」ということも重要な要素であると思う。

人はかかわることで必ず何かを感じ、それがDNAに組み込まれる。

その連鎖を引き起こしたい。

出会うこと、共同で何かをやることで得た共通のDNAは未来につながる。

その接点を人任せにしてはいつまでも変わらないのであれば僕らができる限りのことをやり続けることが一番最初にやるべきことだろう。

正しいと思うことは自分でやり続ける。

それがGYPSYQUEEN流でもある。

演奏が終わった時に固かった表情が一瞬和らいだ張さん。

ありがとう。

そして、相信愛での観客と一体となった共演を終えコンサートは終了した。

楽屋に帰ると学生スタッフの喜びの声が。

「武漢に来てくれてありがとうございました」満面の笑みで日本語でお礼を言われる。

武漢に日本のロックバンドが来たのは初めてだと興奮していた。

そんな彼らとの出会いもまた意味のあるものだ。

今まで誰も来ていない以上僕らは日本の顔となる。

それは内閣総理大臣よりも影響力が強い。

それはおごりでも何でもなく自負だ。

そして、その自負がある限り自分を過信しない。

過信が呼ぶ悲劇をたくさん知っている。

すぐ目の前にある落とし穴に陥らないためにも自分たちの行先をきちんと見つめ、まっすぐにそこに向かうことがこの道で迷わずに前に進む方法論だ。

 

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