アジアの夜明け3
- Post by: AKI
- On: 12月 14/13
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2013/11/16
06:00起床。バタンキューとは昨日の夜のことで朝目が覚めたら酔ってもいないのに電気がつけっぱなしで寝ていた。
なかなか起きられないので熱いシャワーを浴びて目を覚ます。今日はいよいよフェスがスタートする。開会式もあるので準備の為に早めに食事を済ませて08:00会場入りをする。まだ立ち上がっていない所もあり急ピッチで作業を進めている。
これも日本ではありえない事だが、本当にアジアの国々はぎりぎりになっての動きが多い。それで間に合ったりするとOKみたいなところがある。ただ、クライアントが日本である以上、日本式にしなければいけない。日本は世界で最も基準の厳しい国であると十分わかっているだけに気が重い。ばたばた準備をしていると開会式に出席していただく、日田総領事がお見えになった。
あまりきれいとは言えない控室に入っていただく。ちょっと申し訳ない。そして次々と登壇者のみなさんが会場入り。いろいろ変更になったこともあり、司会者チームに登壇者の名前をメモしてもらう。Viviちゃんから「必ず登壇者の方に挨拶をして名前を伺って」と指示が出ている。
そうだ、顔と名前が一致しないとうまくいかない。こういった日本式のやり方を教えるということも交流の一つだ。
10時。開会式が始まった。どうなるかと心配していたがお客さんの入りもよくいいスタートがきれた。司会者がご登壇者の方の名前を間違うというミスもあり、なぜ?そんなことになったと確認。理由は簡単で先ほどviviちゃんから指示のあった「登壇者の顔を見て確認する」ということをやっていなかったとの事。言われたことをできないようでは話にならない。名前ひとつの事ではなく、指示されたことをできないようでは仕事にならない。完璧にやって当たり前で、一つのミスはすべてを台無しにする。そういった気持ちが、覚悟があったか?なかったんだろう。バイトの子に言うのも気の毒ではあるが、バイトとはいえお金をもらってやっているプロ。きちんとしてほしい。結果それを管理している事務局の責任である。つまり突き詰めれば僕の責任でもある。細部までに目がいかなかったことをただ反省するばかりだ。
開会式も終わり、すでに会場には人が溢れていて、ご来賓の方々も散会された。僕も一度ホテルに戻り、許可関係で尽力を尽くしてくれたレストラン「平家」の近藤社長にお礼を述べに。こうして地元にいる人の協力なくしては成り立たないのがフェス。大規模になればなるほどみんなの力が必要なのである。
ここでモードは切り替わりようやくベーシストモードに。部屋に戻りツアーケースを開け、ベースのメンテをする。すぐにロビーに降りてリハーサル会場に向かう。リハーサル会場まではホテルからタクシーで15分位だった。「ここだよ」。いきなり体育館のようなところに降ろされてしばらく沈黙。
スタジオってどこなんだろう。それにしても暑い。ここでいいのか?と探し回る事数分。スタッフが体育館の横にあるスタジオを見つけて一安心。中に入ってみるといわゆる普通のリハーサルスタジオだった。おもったよりも狭かったが空調もよく聞いていて快適な場所だ。機材がなんだかサークルの夏合宿みたいな感じである意味懐かしい。バスドラムがなんだか思いっきり深くてダックスフンドみたいだ。これは貴重かも。
「北志賀のアルビレオでさ」なんて誰もわからない話をしたりして楽器のチェックをしている時間はなんとも楽しかったりする。と早速登場したのはPhuong Vyだった。おお、懐かしい。変わっていない。再会の感激もあまりなく普通にリハーサルは始まった。以前と変わらないパワフルボイス。勘もいい。2テイクで僕らのアレンジにも歌をばっちり合わせてきた。
あまりにも物足りないようなリハーサル。でもそれでできてしまうのだから問題はない。「OK、今晩会おう!」まるでパーマネントに活動している仲間のようにあっさりとPhuongVyを送りだす。そうしているうちにHienThucが超元気よく登場。「Chao AKI!」まさに元気よくだ。疲れ気味な時には彼女はもってこい。みんなに元気を充電してくれる。
キティちゃんのTシャツを着たかわいらしい彼女。アイドルオーラを出しまくっていた。曲はベトナムの伝統音楽を軸にポップスの味付けをした楽曲。これはベトナムでも非常に評判がいい。そして、GYPSY QUEENとの共作「NEVER」では見事な日本語を披露する。日本語はまったく話せなくても耳がいいから歌えるんだろうね。すごいもんだ。彼女もあっという間に終わってしまう。なかなか帰らないなと思っていたら、このあとお茶に行こうなどとshinonと盛り上がっている。
いずれもベトナムのトップアーチストたち。ハイピッチで進むスタジオ作業は緊張感があり楽しい。さっきまでとは違った緊張感だ。そうしているうちにHo Quynh Huongがやってきた。「曲をこんな感じにしたんだけれどどう?」一緒にいつもやっているような感じですぐに曲に入る。ShinonとHo Quynh Huongはいつも通り再会に大感動。これも定着したシーンだ。
今回の彼女の曲は僕らが一番手をかけた曲だった。もともとは緩めのリズムであったのでアレンジし直してポップスながらハードなサウンドにしてみた。きっとそんなものを望んでいるだろうと彼女との今までの関係で分かる。予想通り1テイクで気に入ってくれたようだった。今回のアレンジで途中、ウタメロと微妙なニュアンスのコードを入れてみた。きわどい所だからこそ歌が安定していないとよれてしまう。しかしそんなことをまったく気にさせないような歌いまわしで狙い通りの歌を聞かせてくれた。素晴らしい!
ここまでいいピッチで進んできたリハーサル。ちょっと休憩をしているとDonhNhiとOng Cao Thangがやってきた。相変わらず仲がいい。彼らとは一か月ぶりの再会となるわけだ。DonhNhiはベトナムの最も旬なシンガー。FBのいいねが170万あると聞けばその人気ぶりはわかるだろう。アテンドのmidoriちゃんが目の前にいるこの大スターに挙動がおかしくなっている。そりゃそうだ。こんな贅沢な時間はめったにないことだよね。
音楽を通じて、そしてそこに携わることでいろいろな経験をできるということは本当に貴重なことであると思う。この二人とのリハーサルはもはや必要ないくらいだったが今日の出演の時間の説明もあるので来てもらった。そこに寺田さんが登場。日本でのステージの関係で当日入りとなった。で、早速リハーサル。すべてが初めてづくしだが歌になれば貫録十分でこちらもすんなりと終わってスタジオをでる。
すでに16時。本番は19時。時間はない。機材などがあるので一足先に寺田さんのチェックインの為ホテルへ。「またあおうってベトナム語でなんていうんだっけ?」一生懸命コミュニケーションを取ろうとベトナム語を覚える寺田さん。
今回、この国にはまだない女性のロックボーカルを存分に披露してほしい。
ホテルに到着してチェックインをしていると他のメンバーも帰ってきた。一度部屋に戻り準備をして17時に会場入り。会場入り口手前までタクシーで行き、そこからバックステージまでは歩かなければいけない。楽屋の位置や空調など気になるところも多いがここまで急ピッチで立ち上がったことを良しとしよう。
17:50スタンバイ。会場は若いベトナム人で溢れていた。ベトナムフェスティバルを日本で開催した時からベトナムでのジャパンフェスを開催したいと思っていた。その時は一般のベトナムの若者に日本の今を見てほしいと思っていた。
そして、5年目。時間はかかったがようやく実現できた。そして、このあとそのステージに立てる。本日のメンバーが続々集まり始めて開演の時間がやってきた。