アジアの夜明け5
- Post by: AKI
- On: 12月 16/13
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2013/11/17
06:00目が覚める。今日も暑くなりそうな予感。
イベントはあっという間に最終日。いろいろな準備不足の中、スタッフは本当によくやってくれている。
昨日はたくさんの来場者でイベントとしては成功と言えるだろう。あとは今日無事に終えればと思う。
07:00食事を済ませて07:30全体会議へ。昨日の注意点や修正点が上がってくる。スリがあったとか、進行のやり方とか現場の意見がでてくる。その対策も出てくる。ようやく通常のイベント運営になった感じだ。
そして再びホテルへ。今日はなんど会場との行き来をすればいいのだろう。歩いて10分の距離だがこの暑さの中の移動は結構こたえるもんだ。ホテルに戻って11時にサイゴンチャリティのRiverとの打ち合わせに向かう。
Riverは2007年に僕らがホーチミンから南下すること6時間。チャービンという町での学校慰問のコンサートを行った時からの関係だ。
あの時は辛かったなあ。6時間だよ、6時間。特に後半は道なき道をゆく。そして、ようやく到着したのがチャービンであった。街道で車を止めそのあとはバイクで道なき道をゆくのだが、ギターを背負いながらバイクの後部座席に乗って移動するという経験もできた。もちろん、それ以来そんなことはない。懐かしいね。子供たちの純真な目、そして親たちの表情、市の役人と冷えていないビールを1ケース飲み干したこと。いろいろな経験をしたがそれが今につながっている。
つながっているということはその時の出来事はみんなよかったんだね。そして、相性があったのだろう。Riverと来年のプログラムについて相談をされる。
ちなみに、先日安倍首相がベトナムに行った時に関係したのがこのサイゴンチャリティという組織。新聞にも安倍さんがこいのぼりと一緒に映っているところを大々的に報道されていた。そのこいのぼりの送り主が日本のNPO法人AEFAの谷川さんであり現地パートナーがこのriverのいるサイゴンチャリティなのだ。
来年のイベントの話も進み次の再会を約束して別れる。
そして11:50ツアーメンバーとランチの時間となる。しかし、作業が立て込んで出かけることができない。申し訳ないが僕はキャンセルさせてもらって他の作業を優先させてもらった。体調もすぐれない。まずいぞ。連日の寝不足からか、ちょっとダメな感じになる。まずいね、こんな時に休んでいる場合ではない。
アジアにきて思うのは本当に体力勝負だなってこと。昨日はちょっと羽目を外しすぎた。楽しさは時に体に負担になる。会期中は節制していかないとだめだと痛感。
その後再び会場に向かう。うーむ、暑い。きついぞ。だらだらと歩いて会場に着くと入り口からもうにぎわっている。パブリックビューイングはこの時間にも関わらず大勢の人であふれていた。良かった。今回の目玉の一つ。ここにお客さんがいなければイベントは失敗だ。大勢のお客さんの中、生中継でレコンビン選手は活躍している。なんともいい絵ではないか。よかった。できればゴールをきめてほしい!そう思いながら会場の各所を回る。うむ、とにかく人であふれている。
特に飲食ブースは盛況で黒山の人だかり。これだけ盛況なら次につながる。そう思った。ホテルに戻り今日のステージの準備をする。この流れで行けば終わりよければすべてよしだ。あと4時間で最初のジャパンフェスが終了する。その最後を締めに会場に向かう。
会場に到着すると昨日あった楽屋のテーブルやいすなど備品がなくなっているのでスタッフにお願いをして用意してもらう。メンバーが集まりつつあるころスタッフから「あと少しでスコールが来まーす」と連絡が入る。そんなのわかるのか?わかるんだな。僕もホイアンでスコールが来るのを何度かあてた。雲の流れと遠くのスコールがよく見ると見えるのだ。
そして、ちょうど10分ほどたった時にまるでいきなり嵐になったような豪雨とテントが飛ばされそうな強風に見舞われた。さすがだ、と喜んでいる場合ではない。風でテントが曲がりそうで怖い。日本ではありえないスコール。
遅れて会場に向かってきている皆は大丈夫か?人の心配もそうだが、とうとうテントが大きく揺れていて雨が漏れてきた。つぶれたらどうしよう。BASSは退避させようか?させるにも今外に出たら傘なんて役に立たない。それよりも会場のブースはどうなんだろうか?心配がよぎる。
そしていきなり停電。スタッフがすぐに来て発電機がこの雨で停まったとの事。まあ仕方がない。真っ暗なステージには雨をよけて大勢の人が上がっている。これは実はとても危ないこと。こんな時も事故を防ぐべくステージスタッフは駆け回っている。10分もたたないうちに小雨になる。スコールが通り過ぎ会場を見回る。予定通り行けるかな?と不安に思っていると事故が起きたと連絡が来た。
この状況。何が起きても不思議ではないスコール。あと2時間というところでまさかのトラブル。言い知れぬ絶望感に襲われることになる。いろいろな決断が必要だ。それでも状況を把握し、40分遅れてイベントの再開を選んだ。日本からきてくれた松本里香さん。歌ってもらわなければ申し訳が立たない。寺田さんやサンプラザ中野さんにもそうだ。自分はどうでもいいがせっかく来てくれた人たちに残念な思いをさせてしまうのは心が痛い。
時間が半分になったため曲数を減らしてもらって対応をする。申し訳ないが運営上致し方ない。また、超多忙のHienThucとHo Quynh Huongもそれぞれ8時のTV出演と9時のフライトでハノイに行くというバタバタぶり。とにかく8時までにはすべて終わらなければまずい。しかし、すでに7:30を超えている。曲を変え、順番を変え演出を変えすべて組み直した。
バンドは大変だ。ただでさえ混乱しているなか不平も出るところだが、さすがのメンツ。
技術的にも精神的にも成熟したメンバーでありこの程度でばたつくことはない。いきなりの変更を楽しむように僕らのステージは始まった。