Mekong tour 5
- Post by: AKI
- On: 2月 20/09
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2009/02/10
4:30起床。まだ真っ暗だ。眠い。昨日ステージで跳ねたときの腰がちょっと痛い。それでなくてもずっとバスの移動。体が完全に凝り固まっている。5:30集合。全員遅れずに集合。ここでメールチェックができなかったことがあとあと尾を引いてしまう。
そして5:40出発だ。私服に着替えたニンさんはやはり好青年だった。真っ暗な街を出発。サワン、もっといたかったなぁ。何も買ってないし感じていない。次の機会があればと思う。いや、きっとあるね。そんな縁を感じたよ。6:30.右手に太陽が上がってくる。日の出だ。バスは恐ろしいスピードで爆走。当然対向車もなくかまわないのだが牛が出てきたらどうするんだろうとどきどき。大きく跳ねたりするので寝ている状況ではなくメンバーから悲鳴が上がる。
それでもニンさんもドライバーもまったく気にしていない。そうなのだ、これから13時までにビエンチャンに着かねばいけないということが思いっきり彼らにプレッシャーになっている。時間を守る人たち。すばらしい人たちだ。7:10.タケクに到着。朝食をとる。おしゃれなカフェで優雅に朝食。フランスパンがおいしい。ここはコプチャイドゥのオーナーがやっている店という。アメリカンブレックファーストで29000k。
ゆったり過ごす朝食は久しぶりかも。8:10出発。あまりゆっくりはしていられない。景色はどんどん変わり10:07いくつかの橋を越えてパークサンに入る。いいペースだ。しばらくするとまたメコンが見えてきた。メコン沿いをしばらく走る。今日のお昼の会食の連絡を東京とするvivi。しかし電話がつながらない。ショートメールも途中で切れてしまい気もそぞろだ。
外は風景は変わらないが民家から食事を作る煙や家先で勝手に遊んでいる鶏やヤギを多く見る。のどかだ。のどかな風景は日本にもあるけれどこんなにも動物が勝手にすごせる風景ってないよね。10:40給油につき休憩。体を伸ばす。ヴィエンチャンまであと100kmといちいち情報を教えてくれるニンさん。それを聞くたびみんなは安心。さらにこちらの携帯が調子悪いのを知ってかヴィエンチャン側、日本側と連絡を取ってくれている。繋がると電話を回してくれた。物凄い気配りだ。
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おかげでなんとか連絡がとれた。ある意味ぼくらが消息不明者になっていたのである。今朝、ネットにつながらなかったことが悔やまれる。それにしてもすごいよ彼。そして、11:30いよいよヴィエンチャン入りだ。だんだん民家が多くなり、商店や工場が目に入るようになる。土の部分よりも建物が増えてきて、木々よりも電信柱と電線が気になるようになる。商店には豊富に商品が並び牛もいない。対向車が増えてきて交差点が出てきた。そしてその先にパトウサイが見えてきた。「ついた!」バンに閉じ込められていたメンバーから安堵のため息が出る。
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12:37ホテルに到着。とにもかくにも荷物を一部屋に押し込み出発。この後、藤村公使と会食なのだ。藤村公使は前回のビエンチャンでお世話になった方で今回もご挨拶をさせていただくことになった。サワンから一緒にきたニンさんも同席ということでにぎやかな会に。今回のここまでの経緯をいろいろお話した。特にWat Phuのことなど興味深く聞いてもらえた。会食中いろいろな話になるのだが音楽について非常に詳しく、かなりコアなこともご存知でバンドマンである僕らにもよくわかる話をしてくれた。なんだかこのときの感覚が宮家さんに非常に似た感じだった。
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そういえば僕らが中国に本格的に進み始めたきっかけは当時の宮家公使の一言からであった。不思議とそんなことを思い出した。いろいろ話も盛り上がりお礼にとアコースティックで二曲プレゼントすることに。一曲はユメノトビラ。このアコースティック版は初めてだ。そして、Bor Leum Vientiane。ビエンチャンを忘れないというメッセージの曲だ。ちょっと緊張気味だったがいい雰囲気で披露できたと思う。なにせ今日の夜のステージが23時スタートということでさすがに来て下さいとは言えない時間。せめても一曲でも聴いてもらえればと思った。
「今回は無理かもしれませんがまた来ます!そのときは是非バンドバージョンを聞いて下さい。」そう約束して公使と別れる。14:30.久しぶりの欧風ランチに大満足の一行はホテルへ。ここでニンさんともお別れだ。大爆走したドライバーともお別れ。たった一日だけれどいろいろ良くしてくれてありがとう。僕らにとってサワンはすばらしい街という記憶に残った。それも全部ニンさんのおかげだよ。人って不思議だなぁ。出会った人でその町の評価が大きく変わる。僕らも気を引き締めていこう。僕らにあった人がみな日本を好きになるように。ニンさんを見送りホテルへ。
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すでに諸富さんが到着していた。今回、本当に時間のない中、ぼくらのコンサート実現に向けていろいろ情報をくれた旧友だ。結局、いろいろな要素があり僕らのヴィエンチャン公演は小規模のものになってしまった。でも、それはどうでもいいことだ。待ってくれている人がいて、大切に考えてくれる人がいて、それ以上の何がある?一番大切なものだけはすべてキープできたこのヴィエンチャン入りはすでに大成功なのだ。
一度部屋に戻り着替えてロビーへ。そこにはVientiane TimesとKPLの取材担当がきていた。二社共同でインタビューとなる。ラオスについて最近感じたこと、音楽はどうやって創る?など質問が飛んだ。「なぜ、GYPSY QUEENがカルチャーホールでやらないの?」「それは次に取っておくためさ。次は12月のシーゲームでくるよ」言ってしまった。何も 決まっていないシーゲームだが僕らのアルバムにも収録してあるラオスの歌「Dan Hang It Sa La」をシーゲームの開会式でやったら面白いじゃないか。と思うのだ。それこそ日ラオ交流ではないか?まあ、そんな妄想で勝手に希望を述べる。まあ、希望を述べるのは自由だしね。そんなちょっとハイテンションの取材は終了。
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そのあとshinonがメールチェックをするとLao Star TVから出演依頼がきていた。信じられない話、まだラオスはメディアが強くて、TVに出るにもお金がいるらしい。今回の話は「お金はいらないから出てくれるか?」ということ。でも、出演依頼が今日になっている。メールの送信はおとといだ。「しまった」この番組、前回もだしてもらったがラオポップスを代表する番組。うむ、もったいない。
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一応shinonがお詫びがてら先方にアクセスして終了。まあ次があるさ。ノイに電話するとあの懐かしい声がかえってくる。彼女も今日出演する。どんどん集まってくるこのラオスの仲間達。どうしあげるかは僕らが考えなければいけないことだ。16:00会場に出発、アルーナ合流。今回のもう一人のたて役者であり、男前の08年度最優秀女性シンガーだ。「本当にごめんなさい」彼女の責任ではないのにひたすら謝る彼女。でも、そんなこと気にすることはないよ。本当にいいやつだ。一緒に
ステージに立つことに変りないのだから問題はない。そして、彼女はもう一人シンガーをつれてきた。Tarというラオスで最も売れているグループのボーカリストだ。
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気づくとラジオ局のおじさんも来ている。いい感じだ。僕らのビエンチャンの仲間たち。旅の疲れも吹き飛ぶね。エーチャンも車でやってくる。「えーちゃん、ワットプーにも来てよ」とみんなと言葉を交わす。リハーサルは拍子抜けするほど完璧だった。さすがラオスを代表する歌手たちだ。17:10ホテルに一度戻る。ガイとアリーナもきて着替えて夕食に出発。20:20空港近くのアウトドアの店に到着。今日は焼肉。これもツアー中初めてだ。
店員が「あの人歌手でしょう」とshinonを指差す。すでに6回目のラオス公演。だんだんshinonの知名度も高まってきた。日本人がここにきて公演をすることは珍しい。だからこそ一過性のものではなく定着するようにしたいと思う。定着すれば意見がいえる。それはきっとこの国の音楽シーンについてもきっとプラスになるとおもうのだ。そうすることにどんなメリットがあるかはわからない。でも、誰かがそうしなければいけないのだとすればそれは僕らがやるべきなんだろう。理由?それだけこの国には世話になったし恩がある。22:10衣装に着替えて22:35会場へ。会場はほぼ満員。熱気あふれる会場。いい感じだ。時間は予定を過ぎている。すぐに演奏を始めよう。「Sabaidee vientiane!」ここはすでに僕らにとってホーム。気持ちよくプレイができる町だ。途中Tarが日本語の曲を歌う。日メコン交流年らしい。そして再びGYPSYQUEEN、そしてゲストにアルーナが上がる。最後はノイとTarも参加してVientianeとKobJaiを演奏。ラオスをイメージした曲の中でも最初につくったこのVientianeという曲には思い入れがある。作って数年たつがこうしてラオスの歌手がこの歌を歌っている姿はなんともいえないものがあった。およそ1時間ちょっとのライブは終了。なんと、そこに藤村公使がいた。
かなり驚いた。こんな時間に失礼と思ってお誘いのレターを出してなかったので本当にサプライズ。そして、工藤さんとも再会。いつもいろいろな意見を言ってくれる工藤さんは今回は5人のラオス人友人をつれてきた。オーナーいわく今日のお客さんは8割がたラオス人だという。面白いことだ。交流ってこういうことだ。
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みんなが一緒に歌いだしたときは涙やや泣いちゃうモード。終了後、激しい数のビアラオをオーナーに振舞ってもらいかなりダウン寸前。アルーナに感謝の言葉を伝えて分かれる。僕らも店を出てあひるラーメンの店へ。すでに1時過ぎ。みんな「つぎこそ!」といってくれる。いろいろな思いがあることは進歩の証だ。みんなの希望と期待と未来。音楽でちょっとでもそれを作れることは幸せだ。今回も含めていろいろな人の縁でなりたている賜物だということを僕らはよく理解しておけば良い。Kobjai!
2:30ホテルに向かう。なんとなく風邪っぽいので薬をたくさん。
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風邪引いている間なんてまったくない。気合で乗り切れればOKだ。エーチャンチームとは合流できず。3:00にも荷物を片付け就寝。窓の外は月明かりに伸びたメコン。先にはタイのあかりがほんのすこし見えるだけだ。
今日のステージ。規模こそ小さいがそこにいたるケアは大規模コンサートも小さいギグも関係ない。ぼくは最高に満足だ。このすばらしい仲間たちにお礼を言わなければいけない。最高のお礼を。心からありがとう。やっぱり、ぼくはこの町が大好きだ。大好きになるだけの理由がここにはたくさんある。
ビールに酔い、人のやさしさに酔い、気持ちよく。
3:30とにかくねる。